2021年7月28日水曜日

我が家のニワトリさん,初卵を産む

うちには雄鶏1羽と雌鶏3羽が暮らしている.


3年ほど前に雄鶏2羽と雌鶏2羽を譲り受けて育てていたのだが,キツネらしき奴に襲われて,雄鶏1羽になってしまった.1羽になって寂しそう+卵が採れないということで,雌鶏3羽をもらってきた.


性格がおとなしいといわれているボリスブラウンの雌鶏.3月中旬生まれ.

我が家に来た時にはまだヒヨコでとてもかわいらしかった.









ヒヨコを育てるときはトサカが生えてこないかヒヤヒヤする(雄鶏差別?)が,ボリスブラウンは雌鶏のみ茶羽となるので今回は安心して見守った.


その後,すくすく成長し,古株の雄鶏とも仲良く暮らしています.









ついに生後約140日で初卵を産むに至りました.

これからほぼ毎日,産みたて卵が食べられます.









七十二候,二十四節季大寒の末候(1/30-2/3)は鶏始乳である.

昔の人は,冬のこの時期に鶏が卵を産み始めると経験的に知っていたということである.

今は品種改良によって年中卵を産むようになったのでそんなことは感じません.

便利になった反面,季節感を失うというのはさみしい気もしますね.


2021年7月26日月曜日

二枚貝保全水路

 関市で行っている二枚貝保全(世間的にはタナゴ保全).

十数年前に環境配慮型水路として施工された経緯があったものの,その後二枚貝はほぼ消失.

なんとかせねばということで,設計から関わらせていただいたNEW水路.今年竣工を迎えた.

今日は竣工区間と下流部の調査.二枚貝の妊卵状況,宿主魚にグロキディウム幼生が付いているかのチェックに行ってきた.

結果は・・・グロキは吐きませんでした.魚にもついてませんでした.個体数が少なくて繁殖できていないのか,時期が外れているのか・・・もう少しこまめにチェックしたほうがよさそうです.


水路最上流部です.水量確保のため,山からの染み出しを水路に導水しています.また,農道下にボックスを3個はめ込み,プールを作ってもらいました.幼生を付けた魚が遡上し,最上流部に稚貝を落としてくれることを期待しています.おそらく全国初の試みではないでしょうか.本当は上流の水田を借り受け,ため池にして水路と接続したかったのですが,用地買収などいろいろと難しかったので,このような形にしてみました.来年あたり稚貝が沸いてくれるといいな・・




用水路との交差地点では,水量確保のため,余剰水を環境配慮水路に落としてもらってます.ご協力に感謝です.





水路合流部は重要なポイントです.水流が渦巻くことにより,自然かく乱が生じます.そのため底泥が還元化することなく,長期にわたり良好な環境が維持されると考えて大きめのマスにしてもらいました.ここでは最強の宿主魚であるオイカワの成魚,稚魚がたくさん泳いでいました.このような浅い水域にオイカワが群れていれば,二枚貝の種さえ入れば一気に増殖すると思われます.




上述の合流部の写真でも写っていますが,コカナダモが密生している区間がありました.こいつらの枯死体と泥がミルフィーユ状になって堆積し,ヘドロ化してしまうので底生生物にとっては非常に厄介です.下流部ではオオカナダモが密生していたため,3年前に住民協同作業で駆除しましたが,それ以降良好な環境が維持されています.その際,コカナダモは確認されていなかったので,今年になって新たに持ち込まれたものと考えられます.同時に金魚っぽい個体も確認されました.どなたかがコカダナモと一緒に放流してしまったのでしょうか.残念ながら環境配慮地点が外来種の拡散拠点となるのはよくあることです.




水路内に玉石を置いたりして積極的に堆砂を促しています.そのため,水路内で植生が増えるリスクがあります.そのため,定期的な草取りや浚渫が必要になる場合を想定し,水路内に下りる階段や梯子も設置しました.




二枚貝幼生が下流部から宿主魚によって持ち込まれて自然と増えるのを見守りたいところですが,二枚貝の生息数があまりにも少ないので,ゲージ内の二枚貝と水路内の宿主魚を水槽に入れて幼生を強制寄生させ,その後,被寄生魚を放流することも計画しています.


それにしても暑い.36℃の炎天下,ウェーダー履いての作業はツライ・・・


オイカワもダウン.でもそれは食いしん坊が故.夏バテ気味の私の喉は液体しか通らない・・・














































環境学習会5 藤前干潟

4連休最終日は藤前干潟へ.

晴天で暑い日でしたが,とても心地よい風が吹き抜け,絶好の干潟日和でした.








テナガエビ,タカノケフサイソガニらに麻酔をかけてじっくり観察しました.

なぜかヤマトオサガニには麻酔が効かないという不思議な事件(?)がありました.


環境学習とは関係ないのですが,いつものように石ころ干潟でイシマキガイとヒロクチカノコの生息割合をチェックしてきました.(左イシマキ,右ヒロクチ)









両種はともにアマオブネガイ科に属する巻貝で,パッと見た感じそっくりさんです.

2か月前に見た際はヒロクチ:イシマキの割合が14:2だったのですが,今回は1:37でした.

定量調査ではなく単純な見つけ採りなので,生息密度までは評価できないのですが,感覚的にはヒロクチが減ったというよりは(もちろん減ったと思います),イシマキが増えた印象が強いです.

イシマキさんは川を遡上して戻ってくるので,季節変動が大きいのかもしれませんね.

ちゃんと調査したら面白そうです.





2021年7月24日土曜日

ため池調査

 可児市周辺で,ため池10か所を回ってきた.



ため池は全国に20万か所近くあるといわれているが,その多くは江戸時代に作られたもの.

そのため,堤体の老朽化が激しく,災害の誘発が懸念されている.


ため池の改修を行うにあたり,農業用水源として利用されていないものなどは廃止(堤体撤去)するという選択肢も存在する.しかし,ため池には水源機能だけでなく,多くの生物の生息場所やレクリエーションの場といった多面的機能があるとされており,それらを総合的に勘案して改修・廃止を決める必要がある.


また,改修する場合においても,1年以上(多くは2,3年)の間,水を抜いてしまうため,ため池をよりどころとする生物への多大なる影響は避けられない.


そこで水を抜いたため池の敷地内で,堤体から遠く工事の邪魔にならない場所(沢の流入口当たり)に穴を掘って退避水域を造成し,ため池生態系を保全することを行っている(揖斐川町の谷汲池,須郷池など).



谷汲池における試みでは,元のため池にいたモリアオガエル,ツチガエル,アズマヒキガエル,アカハライモリ,サワガニなどの生物は,抜水期間中もこの退避水域に集まって繁殖していた(オオタニシのみ人為的に移動).種数でみると,堤体工事前に確認されたすべての種が保全できたのだが,退避水域の面積は元のため池と比較して狭いため,一時的に各種の個体数は大きく減少したと考えられる.その後個体数が回復したとしても,遺伝子の多様性においてボトルネックとなった可能性はある.


そこで注目したのが,アカハライモリの遺伝的多様性である.


岐阜県下,数百カ所のため池改修記録をもとに,各ため池の立地条件(近くに別のため池があるかなど),抜水期間,改修後の経過年数などを説明変数とし,アカハライモリの遺伝的多様性を目的変数としたモデルを構築し,どのような場合に遺伝的多様性が損なわれるのかを明らかにしようとしている.それが把握できれば,改修時の配慮方法を策定する際に有用な情報になるのではないかと.


というわけで中濃地方のため池10か所をめぐってきたのだが,アカハラさんがいたのは2か所だけであった.丘陵地帯が多く,アカハラの好む山林に乏しいためなのだろうか?思ったよりも少ない結果となった.次回,東濃地方に期待するとしよう.


それにしてもウシガエル.どこに行ってもオタマまみれでした.えらいことです.

7/22 中干しらしくない風景

 4連休初日.梅雨明け後のこの時期,水田では中干しが行われる.

水田土壌に酸素を送り込んで還元化を防ぐ,地耐力向上,無効分げつの抑制などが目的である.

灌漑期の満水水路.用排兼用水路はもとより,用排分離水路においても排水路を用排兼用水路として利用する(省力化,漏水防止などを目的)ために堰上げしているような場所ではこのような風景が広がっています.岐阜県では,羽島や一部西濃地方に多く見られるこのような管理方法では,水路法肩の水没した植物がいい感じに水際植生となって様々な生物の隠れ家や産卵場所になっています.(ただしスクミリンゴガイも大喜びですが・・・)




一方,ムギ,ダイズなどとの輪作を前提とした汎用化圃場整備が行われた地区では,田面を乾燥させるために排水路は深く掘り下げられ,一年中水位は低いまま.ニョキニョキ生えているパイプは田面暗渠排水の弁です.このような状況に至っては,水生生物の多様性は大きく減少してしまいます.これまで行われてきた圃場整備と比較しても,生態系に及ぼすインパクトがケタ違いに大きいのが汎用化整備です.(ならばどうすればいいのかについてはまた改めて.)




中干しに話を戻します.現在の水田農業(土地利用型農業ともいいます)は集約化に伴う労働集中を回避するため,同じ水稲でも非常に多様な品種や栽培方法が導入されています.その結果,今日から一斉中干し!といった水管理ができなくなってきています.そのため,この時期(7/22)になっても水路水位は低下していませんでした.




無効分げつ(一定以上の枝分かれには稲穂が実らないので,葉っぱだけ増えることになる)防止の点からみると,この地区はスクミリンゴガイが多く,それによって分げつした新芽が食べられてしまい,いつまでたっても最大有効分げつ数に達しないというのもあるのかもしれません(要聞き取り確認).

また,中干しをしないと還元化が進んでメタンガス放出用が増えて,温暖化の温床といわれてしまうのですが・・・我が家の地球温暖化対策米についてはまた別記事で.



そんなこんなで高水位状態での調査はなかなか難しく苦戦しました.あとこんなの(ヒメダカ)も採れちゃいました.突然変異した天然ものの可能性もありますが・・・ホームセンター出身でしょうか?




それにしても暑いですね.魚よりもはやくこっちがくたばってしまいそうです.


調査後,暑さしのぎに根尾川にお散歩.稚鮎漁も終わっていよいよ友釣り最盛期ですね.

















2021年7月20日火曜日

7/19-20 岡山紀行

田んぼを見に岡山に行ってきた.


まずは岡山平野南西部,児島湾干拓地代7区.

見渡す限り水稲.転作してないのか??



調べてみると,岡山平野は愛媛同様,水稲と二条大麦(はだか麦)の1年2毛作.

今は全て水稲.冬は全て大麦になるようだ.土地利用の多様性は低い地区ですね.

なのでケリが少ないのではないかと想像・・・

あとほとんどの畦畔が除草剤できれいに枯死状態.

スクミリンゴガイの被害も結構あった.

ミナミメダカは多かったが,それ以外はほとんど確認できず.


笹ヶ瀬川では,マツカサガイ,ササノハガイ,イシガイ,それに死殻ですが久々に見たカラスガイが.いずれも妊卵していました.あとはボラ,ミナミメダカ,クルメサヨリ?(目視)がいました.


岡山平野南東部では,サンヨウコガタスジシマドジョウが.



他にはボラ,アブラボテ,ミナミメダカ,ササノハガイ,イシガイなど.

スクミリンゴガイの被害も大きそうだった.



続いて久々の祇園用水.腰下まで水があったが,何とか入れた.

カタハガイ,ニセマツカサガイ,ササノハガイ,オバエボシガイがいた.

近くの賞田ビオトープでは,アユモドキが泳いでいた!



同行していたS君に教えてもらったクロモモドキ.

岐阜にはいない外来種だそうですが,輪生するクロモと違ってこれは互生.














日本酒好きにとっては聖地巡礼.岡山県赤磐市.雄町圃場であります.

この近辺は結構色々いました.









ムギツク


チュウガタスジシマドジョウ

ギギ

カブトエビ


他にもいろいろ出会えました.

暑かったですが,晴天の下,久々の遠出で楽しかったです.


















2021年7月18日日曜日

7/17-18 全共実習 in 位山演習林

新型コロナで中止が続いていた宿泊実習.

実に一年半ぶりに実施できた.


宿泊は一人1一室,1年生11名での実習.全共の授業なので教育,地域,工学部など応生以外の1年生たち.


ツキノワグマのハチの巣ホリホリ跡を見たり


広葉樹の天然林を見たり












過密植栽試験人工林を見たり












私の担当する渓流の生物観察の写真は・・・しゃべっていたのでありません・・・
ちなみに・・アズマヒキガエル,ナガレヒキガエル,タゴガエル,ヤマアカガエル,ヒダサンショウウオ,ハコネサンショウウオ,イワナ,水生昆虫多数,ヤマカガシ幼蛇などが姿を現してくれました.


夜はマスク姿でディスカッション.


はじめてカエル触った学生も多く,2週間前の応生識別実習とは同じ場所でも雰囲気が違い楽しかったです.

久しぶりの宿泊実習でしたが,やはりフィールドに出るというのは素晴らしい体験ですね.




























2021年7月15日木曜日

ジャンボタニシ対策

 スクミリンゴガイ,通称ジャンボタニシ対策については,昨年,農林水産省がマニュアルを出した.その中には多数の方法が示されており,必須事項と選択事項に分かれている.






必須事項としては,①冬季耕耘,②浅水管理,③薬剤散布,④人為的異動の制限の4つである.選択事項は捕殺,卵殺,石灰窒素散布,水路泥上げ,早植え,輪作,生物防除など多岐にわたる.しかし都市伝説みたいなものも含まれており,問題は多いと思われる.

特に注意すべき点について以下に列挙する.

・冬季耕耘 : ロータリーで耕すことにより,地中で越冬している個体を地表面に引きづりだして寒さで駆除する,さらにはロータリーの爪で物理的に破砕するというものである.しかし,圃場をよく観察すると,スクミリンゴガイは自分で穴を掘って地中に潜ることはできないため,ほぼほぼ地表面にいることがわかる(例外として,除草剤でフカフカになった畦畔や中干しで生じた亀裂).地中に潜っている個体がいるのは,耕起して土塊に隙間が生じた圃場である.つまり,耕耘は地表面で死ぬ運命にあった個体をわざわざ土中に潜らせる行為に他ならない.実際,冬季耕耘を行った圃場での被害が多い傾向がみられている.耕起するならば,少なくとも地表面の個体が死滅した2月になってからである.また,ロータリーの刃の構造を見いればわかるが,物理的破砕はほとんど期待できない.

・浅水管理 : 浅水ではスクミリンゴガイの行動が抑制されるが,湛水深を1cm以下にしないと目に見える効果はない.そこまで浅水にするためには,レーザーレベラーなどを用いて田面の均平度を相当なレベルで管理しなければ雑草が生え放題となってしまう.なので浅水管理による対策が効果的な圃場とそうでない圃場は明確に分かれることとなる.合わせ技としてはいいかもしれないが,主力にはなれない方法である.

・石灰窒素散布 : 薬剤散布に準ずるが,春先の石灰窒素散布が推奨されている.これはかなりの魚毒性を示すことが明らかになっており,個人的にはやってほしくない.役場に行くと,水田生態系保全を進めている部署のすぐ隣で石灰窒素を奨励している・・・切ないですね.

・早植え : 文句ばかり言うのも何なので,早植えに1票.スクミリンゴガイが食べにくくなるサイズで田植えすれば食害が減るというもの.幼苗でなく中苗移植も効果的である.とはいえ分げつを食われるとそれなりに収量は低下する.入水時に苗がしっかりしている乾田直播が最も効果的だと思われる.

・輪作 : 田畑輪作が奨励されている.岐阜県のように2年三毛作(水稲,ムギ,ダイズ)ならいいのだが,西日本で行われている1年二毛作(水稲,ムギ)は逆効果である.冬季耕耘で述べたように,1年二毛作では水稲後に耕起された麦畑で地中に潜り放題となり,越冬後は水稲のために湛水するからである.2年三毛作であれば少なくとも1年半は水がなくなるので個体数抑制効果は高い.

・生物防除 : いわゆるバイオマニピュレーションである.アイガモ,コイ,カメ類が紹介されているが,脱獄含めその影響が把握できないので極めて危険である.


いずれにせよ,駆除という行為は他の生物にも多大な影響を及ぼす.生物を選択的に取り除くということは至難の業なのである.


いろいろ文句じみたことを述べてしまったが,これらをちゃんと数値化してより良い防除方法を広めていきたいと考えている.そのため,現在,様々な圃場において,管理履歴と被害状況を調査し,それらの関係について調査分析を行っている.今のところ,厳冬期後の耕起,乾田直播を含めた輪作体系の導入,被害多発エリア周辺における越冬場所叩き(被害が多い場所のすぐ近くで湧水など越冬条件の整っている場合が多い)などの組み合わせが効果的ではないかと思われる.


最後に捕殺用のトラップについて.

地元のプラスチック加工メーカーと協力してジャンボタニシトラップを作成している.結構入ってくれるのだが,個体数の多い圃場ではすぐにいっぱいになって回収の手間がかかってしまう.かといって大きくすれば強度の問題で重くなる.さてどうすればいいか?








昔,アメリカザリガニのトラップを思案しているときに思いついた,無限ザリガニホイホイを応用できないだろうか・・無限ザリガニホイホイとは,アメザがいったん中に入ると出られない構造にしておけば,中で共食いが始まるため,回収しなくても無限に駆除が続くという画期的なものである.ジャンボタニシは生きた個体こそ襲わないが,その死体には群がる.そこでトラップ内にソーラーパネル駆動のプロペラを内蔵し,中に入ってきた個体を定期的に破砕すればそれが誘引餌となった上に食べられてなくなっていくという夢のような代物である.コストはかかるが,回収不要であれば初期投資を惜しまない農家は多いはずである.

ん,待てよ・・・何もせずとも中で死んでしまえば餌になるよな・・・トラップを長期間ほっといたらどうなるか見てみよう.



2021年7月14日水曜日

環境保全団体 補助金不正使用問題

この件についてはやはり触れておくべきかと思う.

昨日,ニュースで世間を騒がせた補助金不正使用問題.


当事者である団体および代表者は,仕事上様々な場面で一緒になることも多く,よく知る存在.弁護の余地はないが,若者が環境保全を仕事にして生活できる環境を作りたい(現状はボランティア的活動にとどまっている)ということを目指しており,それについては共感していた.なのでなおさら今回の件が残念でならない.


地元住民との協働活動についても熱心で,地元の信用を得て土地改良区の事務を委託されてもいた.今回,県からの補助金だけでなく,地元改良区からの委託費においても不正があったと判断されたため,地元をも裏切った形である.


今回の件で当事者団体及び代表者の活動が停滞(あるいは終了することも)することも悲しいが,一番危惧しているのは他団体への影響である.


あくまで匿名のネットでの意見(なにも調べずに反射的に書かれている意見は普段は無視していますが,今回ばかりは気になったので見てみました)を見るに,①当該団体に対する意見,②補助金事業に対する意見,③環境保全およびそれに携わる団体に対する意見の3つに区分できそうです.


①については,罪を犯した(現時点では否認しているようですが)わけで,批判されるのは自然な流れだと思います.問題は②と③です.これは大きな問題です.このようなことがあると,補助金なんて必要ない,環境保全団体はどこも似たり寄ったりうさん臭い・・・など様々な意見が飛び交います.


環境保全とはいえ,補助金から脱却して自立することは必要ですが,特にスタートアップにおいて補助金は非常にありがたいものです.基本的に環境保全はもうかる仕事ではないですから.それに経済的価値を付して継続性を確保するようみんな頑張っていますが,まだまだです.


一方,岐阜県のこの補助事業は,補助金受給者がマンネリ化していたのは事実です.その理由として,申請者が少ないことが挙げられます.県もこのことは問題視しており,この補助事業に関してNPOなど関係各者に広報はしていましたが,それでも応募者は増えずほぼ同じメンツで5年ほど経過しています.競争的資金になれば受給者の顔ぶれも変わったのでしょうが・・・お隣愛知県は同様の事業においてある程度の倍率があります.いろいろ考えましたが,結局県民性なのでしょうか.都会と田舎の差なのでしょうか.会計報告含めて提出書類が多すぎるから補助金申請しないという話を聞いたこともあります.でも今の流れ(厳しいチェック体制にすべき)でいくとさらに応募者が減ってきそうですね.


もう一点,監査が甘すぎるとの意見も見られました.これについては限界があるとしか言いようがありません.都道府県ごとに置かれている監査委員は,3から4名しかいません.その方たちが毎年,監査対象を決めて監査するわけです.なので,本事業に対して全く監査が行われない年も普通にあるわけです.通常は補助金受給者は責任と誠意をもって領収書貼布して会計報告し,それを行政がチェック(チェックといっても使途が適切かどうかを見る程度で領収書の偽装捜査まではしません)します.


人を疑い始めると大変な労力とコストをかけて監査しまくるしかなくなってきます.そうなってくると補助金事業自体無くなっていくかもしれません.


話が長くなってしまいましたが,真面目に頑張っている人たちがとばっちりを受けないことを祈るばかりです.





2021年7月12日月曜日

環境学習2,3,4

週末から月曜日にかけて環境学習会3連発.

一般親子向けプログラムで共通していたのは,今年は参加者が非常に多いということ.

コロナ禍で少ないと予想していたのですが,ふたを開ければ例年の2倍以上に.お出かけ先が無いからなのか?びっくりしました.

開催時間を二つに分けたり,会場を分割したり・・いろいろと大変でしたが何とか乗り切りました.


お手伝いしてくれたM1のO君,4年のSさん,OGのHさん,ありがとうございました.




トノサマガエルさんも苦労様でした.









田んぼの除草

田植えから2週間.我が家の田んぼの除草作業.

中腰での手作業が続く.まだ半分終わってませんが,全部で10時間はかかりそう・・・

高価ですが,除草剤ってすごいんですね.使用者の気持ちがよくわかります.


四男にも手伝ってもらいましたが,彼はミズカマキリ,オタマ,アカハラ他,生き物に夢中でした・・・・薬使わないからなのか?ほんとにすごい生物量です.トンボ類もたくさん飛来しているので,間もなくヤゴ祭りになるでしょう.



稲の方はというと・・・草丈は伸びてきましたが,分げつが進んでいません.

植え付け本数が少なかったことと相まって,ピョロピョロ圃場になってます.


梅雨明けに期待するといたしましょう.

2021年7月8日木曜日

環境学習 その1

 7/7 七夕は輪之内町の2つの小学校で恒例の環境学習.

あいにくの大雨のため,子供たちとガサガサには行けなかった.残念.


というわけで,スタッフでガサガサしてきた生き物をみんなで観察した.













今回見れたのは・・・

魚類はコイ,フナ,ニゴイ,コウワイモロコ,カワバタモロコ,ドジョウ,カラドジョウ

ミナミメダカ,オオクチバスなどなど.

カエルは5種,ナゴヤダルマガエル,トノサマガエル,ヌマガエル,ニホンアマガエル,ウシガエル

その他,アメリカザリガニ,マルタニシ,ヒメタニシ,カワニナ,コオイムシ,ヒメガムシなどなど.


人気者はやっぱりカエルとザリガニ.鉄板ネタのカエルを動けなくするマジックは健在だったようです.ザリガニをつかめるようになった子も多くいました.コオイムシの卵を背負ってるのはお父さん?お母さん?クイズも面白かったです.

みんな生きものの楽しさを知ってもらえたかな.でも実際に自分で捕まえたっかっただろうな.ほんと,それだけが残念でした.


トリプルヘッダーでしたが,ホント疲れました.楽しかったけど・・・疲れました.

最近特に年を感じます.まあ,しゃあないですね.


子供たち相手に奮闘してくれたK君,O君,ありがとうございました!


2021年7月6日火曜日

ジャンボタニシの被害

 雨の南濃町へスクミリンゴガイ調査に行ってきた.



南米原産の巻貝で,もとはというと食用で移入された.でも不味かったので放棄.

(いろいろと調理方法を試してみましたが,基本的に淡水域の貝は美味しいとは思えません.あ,セタシジミファンの方,申し訳ありません.あ,カワニナ(ナミカワニナに限る)も美味しいです)

今や西日本を中心に広がり,稲の被害は相当なもの.


せっかく田植えしてもこんな風になっちゃいます.

はじめて目にしたときは,水鳥に配慮した水田かと思ってしまいました.



食用目的の養殖場が全国的に多くあったわけではなく,ここまで広域に分散した理由は,除草目的での導入が大きかったと考えている.先日も,ジャンボを除草に使おうとしている農家がいるけどどう思う?とNHKの取材を受けた.私は反対です.制御しきれません.

そんなジャンボ君,実はイネはそんなに好きではなかったりする.でも田植え直後はイネしかないので,仕方なしにイネの苗を食べているようです.イネも大きくなってくるとあまり食べられません.食害がひどいのは田植え後3週間くらいでしょうか.

でも分げつした若い葉も食害を受けるため,株ごとなくなることはないにしても収量低下につながります.よって中干までは油断できません.


当研究室では,ジャンボタニシ対策に向けて日々調査を行っております.

それについては別記事で.










2021年7月2日金曜日

水棲生物識別実習 in 位山演習林

6月29日.マイクロバスに分乗していざ演習林へ.

今週の水棲生物識別実習は河川上流部,渓流の水棲生物が対象です.



途中,小雨に降られましたが,森の中は案外大丈夫.

雨のおかげ?が,ヒキガエルもたくさん姿を見せてくれました.

カエル類は・・・アズマヒキガエル,ナガレヒキガエル,ヤマアカガエル

サンショウウオ類は,ヒダサンショウウオ




カワゲラ目,ハエ目,カゲロウ目,トンボ目などの水生昆虫,サワガニなど,大学周辺では見れない様々な生物に出会えました.

イワナも採れました.これは・・ニッコウイワナに見えるのですが,このサイズだとヤマトでも白斑が出るそうなので確実なことは言えないそうです.








大学周辺とは全く異なる生物相です.

改めて岐阜県の広さ,多様さを感じます.

TAのK君,O君,T君,お疲れさまでした.


2021年7月1日木曜日

川の幸 アユ

釣りが大好き.

ルアー,フライ,テンカラ・・いろいろな釣りをしますが,アユの友釣りは奥が深い.


友釣りはおっさん臭いという印象でしたが,やってみるとハマります.

平均年齢が高いのは,道具にお金がかかるからでしょうか.


でも,網をやっていると,友釣りはご無沙汰になってしまってます.

なんといってもたくさん採れますから.漁協組合員ならではです.


いつもの漁場.




昨年は2200尾オーバー.

今年も解禁2週間で400尾オーバー.

豊かな川です.

でも何年も同じことをやっていると,変化していることに気づきます.

例えばサイズ.年々小さくなっています.

それを顕著に感じ始めた3年前から,解禁日にとれた個体のサイズを計測しています.



6月の解禁日,最近は3分半の目合いでも通り抜けられるくらい小さいです.大きいのがかかることもありますが,それはほとんど放流魚です.

晩秋の高温化によって産卵時期が遅くなっている,稚魚の餌となる海のプランクトンが減っている・・いろんな要因が重なっているのだと思います.


稚鮎は天ぷらが一番.



もう少しするとサイズも大きくなってきます.

そうなると楽しみは鮎ご飯ですね.


天然アユが当たり前のように遡上してくれる川を大切にしたいものです.







川の幸 ナマズ

 山里生活.山と川の幸を味わえる幸せ.

幸(さち)と幸せは同じ文字なんですね.


我が家では,ナマズが一番人気.




家の目の前の管瀬川でたくさん採れます.

泥抜きしないでも全く臭くありません.

淡白ながらも旨味あふれる身は南蛮漬けに.




初夏は子持ち.卵の煮つけはねっとりとコクがあります.

ちなみにナマズのタマゴは緑色です.




とても丈夫な皮はカリカリ揚げにします.

日本酒がすすんで仕方ありません.



本当においしいです.ウナギよりおいしいと思います.

ちなみにコイもうまいです.冬限定ですが・・・夏は臭みがありますね.


いつまで素晴らしい環境が残ってくれるよう頑張っていきたいと思います.





















新年度,あけましておめでとうございます

一年近くご無沙汰してしまいました. この間,自ら運転していたトラクターに轢かれ,体調不良でぶっ倒れ,長期入院し・・・・ 厄年でもないのに散々な一年となってしまいました. 新たな年度を迎え,ようやく復帰しましたので,今後ともよろしくお願いいたします. 退院の足で気になっていた田んぼ...