2021年7月14日水曜日

環境保全団体 補助金不正使用問題

この件についてはやはり触れておくべきかと思う.

昨日,ニュースで世間を騒がせた補助金不正使用問題.


当事者である団体および代表者は,仕事上様々な場面で一緒になることも多く,よく知る存在.弁護の余地はないが,若者が環境保全を仕事にして生活できる環境を作りたい(現状はボランティア的活動にとどまっている)ということを目指しており,それについては共感していた.なのでなおさら今回の件が残念でならない.


地元住民との協働活動についても熱心で,地元の信用を得て土地改良区の事務を委託されてもいた.今回,県からの補助金だけでなく,地元改良区からの委託費においても不正があったと判断されたため,地元をも裏切った形である.


今回の件で当事者団体及び代表者の活動が停滞(あるいは終了することも)することも悲しいが,一番危惧しているのは他団体への影響である.


あくまで匿名のネットでの意見(なにも調べずに反射的に書かれている意見は普段は無視していますが,今回ばかりは気になったので見てみました)を見るに,①当該団体に対する意見,②補助金事業に対する意見,③環境保全およびそれに携わる団体に対する意見の3つに区分できそうです.


①については,罪を犯した(現時点では否認しているようですが)わけで,批判されるのは自然な流れだと思います.問題は②と③です.これは大きな問題です.このようなことがあると,補助金なんて必要ない,環境保全団体はどこも似たり寄ったりうさん臭い・・・など様々な意見が飛び交います.


環境保全とはいえ,補助金から脱却して自立することは必要ですが,特にスタートアップにおいて補助金は非常にありがたいものです.基本的に環境保全はもうかる仕事ではないですから.それに経済的価値を付して継続性を確保するようみんな頑張っていますが,まだまだです.


一方,岐阜県のこの補助事業は,補助金受給者がマンネリ化していたのは事実です.その理由として,申請者が少ないことが挙げられます.県もこのことは問題視しており,この補助事業に関してNPOなど関係各者に広報はしていましたが,それでも応募者は増えずほぼ同じメンツで5年ほど経過しています.競争的資金になれば受給者の顔ぶれも変わったのでしょうが・・・お隣愛知県は同様の事業においてある程度の倍率があります.いろいろ考えましたが,結局県民性なのでしょうか.都会と田舎の差なのでしょうか.会計報告含めて提出書類が多すぎるから補助金申請しないという話を聞いたこともあります.でも今の流れ(厳しいチェック体制にすべき)でいくとさらに応募者が減ってきそうですね.


もう一点,監査が甘すぎるとの意見も見られました.これについては限界があるとしか言いようがありません.都道府県ごとに置かれている監査委員は,3から4名しかいません.その方たちが毎年,監査対象を決めて監査するわけです.なので,本事業に対して全く監査が行われない年も普通にあるわけです.通常は補助金受給者は責任と誠意をもって領収書貼布して会計報告し,それを行政がチェック(チェックといっても使途が適切かどうかを見る程度で領収書の偽装捜査まではしません)します.


人を疑い始めると大変な労力とコストをかけて監査しまくるしかなくなってきます.そうなってくると補助金事業自体無くなっていくかもしれません.


話が長くなってしまいましたが,真面目に頑張っている人たちがとばっちりを受けないことを祈るばかりです.





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