2021年7月24日土曜日

7/22 中干しらしくない風景

 4連休初日.梅雨明け後のこの時期,水田では中干しが行われる.

水田土壌に酸素を送り込んで還元化を防ぐ,地耐力向上,無効分げつの抑制などが目的である.

灌漑期の満水水路.用排兼用水路はもとより,用排分離水路においても排水路を用排兼用水路として利用する(省力化,漏水防止などを目的)ために堰上げしているような場所ではこのような風景が広がっています.岐阜県では,羽島や一部西濃地方に多く見られるこのような管理方法では,水路法肩の水没した植物がいい感じに水際植生となって様々な生物の隠れ家や産卵場所になっています.(ただしスクミリンゴガイも大喜びですが・・・)




一方,ムギ,ダイズなどとの輪作を前提とした汎用化圃場整備が行われた地区では,田面を乾燥させるために排水路は深く掘り下げられ,一年中水位は低いまま.ニョキニョキ生えているパイプは田面暗渠排水の弁です.このような状況に至っては,水生生物の多様性は大きく減少してしまいます.これまで行われてきた圃場整備と比較しても,生態系に及ぼすインパクトがケタ違いに大きいのが汎用化整備です.(ならばどうすればいいのかについてはまた改めて.)




中干しに話を戻します.現在の水田農業(土地利用型農業ともいいます)は集約化に伴う労働集中を回避するため,同じ水稲でも非常に多様な品種や栽培方法が導入されています.その結果,今日から一斉中干し!といった水管理ができなくなってきています.そのため,この時期(7/22)になっても水路水位は低下していませんでした.




無効分げつ(一定以上の枝分かれには稲穂が実らないので,葉っぱだけ増えることになる)防止の点からみると,この地区はスクミリンゴガイが多く,それによって分げつした新芽が食べられてしまい,いつまでたっても最大有効分げつ数に達しないというのもあるのかもしれません(要聞き取り確認).

また,中干しをしないと還元化が進んでメタンガス放出用が増えて,温暖化の温床といわれてしまうのですが・・・我が家の地球温暖化対策米についてはまた別記事で.



そんなこんなで高水位状態での調査はなかなか難しく苦戦しました.あとこんなの(ヒメダカ)も採れちゃいました.突然変異した天然ものの可能性もありますが・・・ホームセンター出身でしょうか?




それにしても暑いですね.魚よりもはやくこっちがくたばってしまいそうです.


調査後,暑さしのぎに根尾川にお散歩.稚鮎漁も終わっていよいよ友釣り最盛期ですね.

















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