年明け早々,新潟に行ってきました.
以前から予定していたのですが,コロナもあってなかなか行けていませんでした.
目的は2つ.田んぼダムと日本農業遺産に関する調査です.
大雨の際,田んぼでダムのように貯水して下流への流出を遅らせるのが田んぼダム.具体的には降雨の前に水を落としてバッファを作ったり,落水工の角落しの板に穴や切れ込みを入れてゆっくり排水させる方法などがあります.田んぼの持つ多面的機能のひとつとして,そのような取り組みを行えば1反(10a)あたり400円の補助金がもらえます.岐阜県でもその取り組みを広げようとしていますが,未だに手を挙げている場所はゼロです.一方で,新潟県は先進地域とされ,全国の実施面積の半分以上を占めています.
ではなぜ新潟県では広がっているのか?それについていろいろとインタビューを行ってきました.まずは新潟県,新潟市といった行政,新潟大学の吉川先生らの尽力もあるのですが,実施している地区は過去に何度も水害を経験した場所でした.その苦い経験から,積極的な治水にかかわっています.そこで過去の水害対策として有名な大河津分水を見てきました.
日本最長の河川である信濃川.その本流から放水路を設けて分水した場所で,資料館も設置されています.この少し下流部分に横田切れで有名な堤防決壊場所があります.そこは信濃川の狭小屈曲部でボトルネックになる場所です.
田んぼダムの取り組みを行っている場所は,なぜか横田の下流部です.もちろん,下流部で流出を遅らせることも洪水対策にはなりますが,横田よりも上流で対策を打ったほうがいいことは明らかです.始めやすいところからやっていくのもありですが,本来の目的や効率を考えると上流域への展開が必要ですね.補助金配りの口実で終わらないようにしなくてはいけません.
続いて日本農業遺産第一号の中越・雪の恵みを生かした稲作・養鯉システムの調査です.雪資源を生かすということでこの時期に行ってきた次第であります.小千谷,山古志地区に行くのは,中越沖地震の際に研究室のみんなでボランティアに行っていた2007年以来15年ぶりでした.
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