2021年6月27日日曜日

育苗

 今年は苗づくりに挑戦した.

JAで苗を買ったら,ひと箱800円弱.1反で25箱使うとして2万円.

米の売価が90000円としても,苗代だけで20%以上.それ以外にも作業機械の減価償却に農薬,肥料.そりゃ作っても補助金無けりゃ赤字になるね.

かなり前から米価は変わってませんが,コストが増加しているので赤字がかさむようになっている.というわけで,我が家の田んぼはローコストを徹底します.

自分で育苗した理由はほかにもあります.品種です.知り合いから今となっては珍しい旧ハツの種もみをいただきました.10年ほど前に耐病性品種のハツシモSLに全面切り替えになっているのですが,食べてうまいのは断然旧ハツシモ.楽しみです.

私は自家消費で販売する気はないので関係ないのですが,農協で苗を購入しないと,様々な条件(難癖に近い?)により特別栽培米に認定されません.例えば種子消毒で温水消毒という薬を使わない方法がありますが,それをすると特栽米扱いにならない(農協によって違うと思います)という地域もあります.

まあ,いろいろ書いてますが,一度やってみたかったというのが本音です.


で,感想はというと・・・むつかしい!の一言.結論から言うとあまりうまくできませんでした.『苗半作』という言葉が重くのしかかります・・・


では育苗記録を.

①5/16 塩水選

 比重1.13の塩水で,浮いてきた粃を取り除きます.20Lで塩5kg.かなりしょっぱいです.取り除いた粃はニワトリさんの餌となりました.喜んで食べてくれました.1反5瀬の田んぼ用に選別籾を4kg準備しました.


②5/16 温水消毒

 60℃のお湯に10分つけて消毒します.薬品いらずで安全&安上がり.


③5/16-21 浸水

 消毒の終わった種籾を,冷水に積算100℃になるまでつけて,水を吸わせる.いわゆるハト胸状に膨らむまでおいておく.我が家は16℃の井戸水なのでそのまま漬け置き.その間,水槽用のポンプで酸素供給.


④5/22 催芽

30℃の温水に15~20時間つけて,1mmほど芽出しする.

ここでも水槽用のヒーターが活躍.思った以上にはやく幼芽が出たので,8時間で終了した.しかしこの焦った判断が,のちに大きく影響した.反省.


⑤5/23 苗箱に播種,覆土

催芽した種籾を苗箱に播種した.本来は遠心分離機などで脱水し,ベルトコンベヤに乗せて播種機に入れるのだが,もちろんそんなものはない.なので濡れたまま手で播いた.まあ,当然のことですが,籾同士がくっついてうまく播けなかった.これで生じたムラのせいで,田植え時に欠株が多く発生してしまった.反省.

中苗で植えたかったので,播種量は120g/箱にしました.ちなみに幼苗なら200g以上播種します.



⑥5/23-27 出芽

30℃に維持し,1-2日で1cm程度まで芽出しするのですが,特に夜間気温が低く,5日間かかっても出芽がそろいませんでした.自作苗箱ラックをマルチで覆ってみましたが,上下での温度差もあって,今回の苗づくり一番の問題点となってしまいました.反省.



⑦5/28-6/1 緑化

苗を屋外に出し,気温変化に少しづつさらす段階です.寒冷紗である程度遮光します.通常,2,3日で終わるのですが,出芽がうまくそろわなかったので5日間要しました.


⑧6/2-6/25 硬化

外でほったらかし.田植えできるまでのサイズまで育てます.でも催芽から出芽までの失敗故か,なかなか大きくなりませんでした.結局,中苗まで育たなかったのですが,見切り発車で田植えしました.写真のように畑で硬化を行いました.計33箱ですが,これは田んぼにほとんど運び終わった残りです.











いや~,育苗室みたいな温度管理のできる施設がないとむつかしい.でも昔の人はみんな工夫してやってたんですよね.

来年こそ立派な苗を作りたいです.



























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