2021年6月11日金曜日

水田魚道と『江』を組み合わせてみる

全国各地でブームのようになっている水田魚道.

水田環境に着目する,あるいは環境学習のツールとしては良いものだと思う.


しかし,水田に遡上,産卵し,そこで生まれた仔稚魚たちの多くは中干しで死んでしまう.

まさにデストラップになりかねない.


当然,非灌漑期には田面には水がなくなるため,水田内は周年水中生活をする生物の生息空間にはなりえない.


過去に谷汲ビオトープで周年湛水水田に魚道を設置したが,その時はイシガイ類が大量発生して定着してくれた.


やはり魚道を登った先には安定した水域があってほしいものです.


そこで水田内に『江』と呼ばれる掘り込みを設け,魚道と接続することにした.

50m×2m,深さ20~50cmの溝を掘り,ビニールシートを張って周年湛水域を作った.








初期かん水後.排水路には魚道が見える.










取水翌日,はやくもナマズが遡上して産卵していた.


排水路を挟んで対面の水田は魚道のみ.

おなじミルキークイーンの栽培圃場だが,『江』のあるなしで生物相はどのように変化するのだろうか.岐阜農林高校といっしょに,この冬を経て来年の夏まで継続して調査をしていく予定です.

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